臆病な俺  2007/07/22

臆病な俺のバックナンバー

忘れられることって、何もなかったことにされることで







まるで、この世に僕がいなかったみたいだね





穏やかな春風が僕の傷を広げていく




だって、散る桜はまるで君の記憶のようだ





風に流され、行き着いた先で朽ちていってしまう


君は僕のこと、すっかり忘れて記憶のかけらも持ってはいない

でも、この木が強く新しい葉を出すように

君も強く生きていく


僕なしでも次へと向かっていくんだ


無神論者だけど神に祈った最初で最後のお願いだ




彼女の記憶を、大切な記憶を、取り戻してくれと


今彼女は全て忘れて、幸せになる切符を手に入れたけれど

代わりに僕の幸せは全て持っていってしまった


苦しいことも多かった

でもさ、君は確かに笑っていたんだ

握った手のあたたかさそんなもので簡単に幸せになっていたなのに・・・


ああ、なんて簡単

なんだろうこの恋を終わらせてしまうこと

君が忘れてしまったならとても、とても、簡単だ

神なんてもう信じてやらない

僕たちが一緒になること、一度は賛成したくせに許してなどやるものか

こんな残酷な仕打ち、耐えられるわけないんだ

ねえ、思い出して楽しかった二人きりの日々を

写真の中で微笑む君は愛しくて懐かしくてせつなくてどこに行ってしまったんだ?


僕を見て不思議そうにしないでくれ

恋焦がれた唇は僕の名前を紡がない

それがほら、こんなにも悲しい

ねえ、思い出してつらいことも楽しいこともみんな今まで二人で乗り越えてきたこと
泣きながら手を取り合ったこと身を寄せて愛を確かめ合ったこと
頼むから、一人で逃げてしまわないで見つめ合って、支えあって生きてきた

一緒にいようと誓った未来の約束思い出してよ





君を愛していた僕と






僕を愛していた君を