朝は6時。鳥の声が聞こえる中、二人は走っていた。 「うおおぉぉーー!!」 「何で蜂が襲ってくるんですかー!!?」 「知るかー!!とにかく走れ!力尽きても走れ!というかお前が死んでもあたしだけは逃がしなさい!!」 「そんな無茶な!!死んだら動けませんよ!」 「死んだら死んだで幽霊になってでも逃がしなさいよ!!」 万屋「無敵街道」の二人、湊瑠闇(みなとるあん)と烏丸晃平(からすまこうへい)が蜂に追いかけられている理由はちょうど一日前にさかのぼる。 −朝6時(万屋開店) 「今日も一日頑張りましょう♪」 「瑠闇さん、頑張るって言っても客ってあまり来ませんよ?」 すこーん!(柄杓が晃平の頭に当たった音) 「今日はどんな仕事が待ってるのかな〜♪」 「ちょっと瑠闇さん!痛いじゃないですか!」 「あら、晃平クン、どうしたの?」 「あら、じゃありませんよ!たった今!水が入ったままの柄杓を超高速で投げたじゃないですか!」 「さあ?なんのことやら」 「瑠闇さん!!」 二人がいつもの喧嘩をしていたその時、風鈴の音と共に1人の来客があった。 |