「すみませんが、ここで万屋をやっていると聞いたのですが」 見ると、そこにはシルクハットにタキシードを着た老人が立っていた。 「は〜いはいはい♪お客さん運がいいねえ〜、今開店したばかりなのよ〜♪」 どぐっ!「ぐふっ!」(瑠闇の肘鉄を脇腹に喰らった) 瑠闇はお客が居る前で晃平を雑用に使う時、決まって必要以上の強さで晃平の脇腹に肘鉄を入れる。 「しょ、少々お待ちを……」 やっとの思いで絞り出した言葉も上手く発音できなかった。 「どうかしましたか?」 「いえいえ、こいつは今日ちょっと腹の具合が悪いもんでね〜、きっと下ったんでしょ」 「はあ、そうですか、お気の毒に」 瑠闇は老人を椅子に座るよう奨め、自分も座った。 「まあ、あいつは放っておいて、本題に入ってもよろしいでしょうか、雀蜂さん?」 |