声が力に変わったら… どんなにいいだろうと何度も思っていた。 だけど… 俺は… こんな能力は…こんな能力は…欲しくなかったぁぁぁぁぁぁっぁあぁ!! 声が力に変わる時〜その時俺は若かった。いや、今も若いけど〜 そう、それは数時間前の事だった… 先程騒いでいた男…アズ・ロウスはリオラ学園中等部2年生のCクラスに在籍している。 この世界では魔術・錬金術等盛んに研究されているのだが使えるのは遺伝関係無しの才能がある者だけだった。Cクラスは成績そんな才能がある者があつめられていた。尚、各学年5クラスある学園だがCクラスがそういうクラスなのは丁度真ん中という事でという安易な考えで決められていた。 そのCクラスの3時間目は理科だった。現実の学校にもよくみられるように班ごとにわかれて彼は実験をしていた。外見はなかなかの顔立ち。180cmの高身長。アッシュの髪にブリリアントグリーンの瞳が他のクラスからの人気があるのに対し、このクラスでは別な意味で目立っていた。通称「爆風」彼が何故そんな通称なのかはこの班の人間関係にあった。 教壇で先生が実験の指示をしている。 「…という感じで実験をすすめてください。あ、アシュレイさん、教材室から荷物を運び出すのを手伝ってもらえますか?」 「はい。わかりました。」 アズの隣で実験をしていた少女が先生の元へ行く。水色の髪は右目を隠し、左目も髪の毛と同じ水色だった。首筋までの髪の長さと凛々しい顔立ちが中性的な雰囲気をかもしだしている。先生は先に教室を後にしてアシュレイと呼ばれた少女も扉に向かうが…出る直前にアズの班の方を振り向いた。 「アズ、私がいない間班の指示を頼む。」 「あぁ。」 「問題は絶対に起こすなよ。起こしたら怒られるのは私なんだからな。」 「わかっている。俺にまかせて早くいけよアシュ。」 アシュレイは頷くと教室を出て行った。 「さぁて…じゃあ実験の続きをするか!!」 アズは元気に班員に伝えた。 |