「……君、何処から来たの?」 銀色の表面を見つめて思わずそう呟いたけれど、小さな卵は答えなかった。 ★★★ 「…ん〜…」 ジョーは図鑑と睨めっこをしながら、溜息をついた。 何となく持ち帰ってきてしまった銀色の卵を机の上に置いて、もう一度まじまじと見つめてみる。 わざわざ本棚の奥から引っ張り出してきた分厚い鳥類図鑑にも、この綺麗な卵と同じものは見当たらない。 未だ誰にも知られていない新種だったらどうしようとも思ったけれど、それにしてもあんな道端にひとつきり落ちていたのが解せない所だ。 誰かの落し物だろうか。 |