「お前が割ったのか。…まずは礼を言わないとな。やっと窮屈な殻から出られた」 「へ?…ぇ、えっと…どういたしまして」 釈然としないが、素っ頓狂な声で返事をするしかジョーには思いつかなかった。 「あの…」 「?」 「…君ってまさか…ひよこじゃないよね…どう見ても…」 それ所か鳥ですらない。 羽根も嘴も見当たらないし、何より喋るヒヨコがいるものか。 小さな男は小さな額へ小さな手をやると、億劫そうに溜息をついた。 「……大分混乱してるだろう」 「あっ…!!あああ当たり前じゃないか!!君は何なのさっ!!そんな…小さい…っ」 |