Ghost Thierf/1 2005/05/04
20世紀の初め、魔都、ロンドン。
この街に、数ヶ月前からとある人物が現れては人々の話題に上っていた。
小さな美術館や金持ちの家に忍び込んでは、宝石や貴金属を盗んでいく怪盗。
だが奇妙なことに、盗んだものは数日後にはまた人知れず持ち主の元に戻してあるという。
風のように現れ、霞のように消え、その姿を見たものは殆ど居ない。
数少ない目撃者たちは皆、口を揃えて言った。
あれは人間ではない。
空を飛び宙を舞う、幽鬼の類であると―――
人呼んで、怪盗スカーレット。
大都市を脅やかす、赤い瞳の魔物。
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