Ghost Thierf/2 2005/05/04
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「はぁ……」
時は真夜中、そろそろ午前0時に差し掛かるかという頃。
美術館の廊下で、ひとり溜息をつく青年がいた。
「…ったくよー…幾ら下っ端だからって人使い荒いんだよウチは…」
ぶつぶつと独り言を言いながら、懐中電灯の明かりで足元を照らす。
紺色の制服に身を包んではいるが、生意気そうにそばかすの跡が残る頬と癖のある跳ねた赤毛は、まだ随分と若く見えた。
真っ暗な中で、その琥珀色の瞳が何か夜行性の鳥のようにきょろきょろと動く。
どうやら警備員のようだが、仕事に熱心、という訳ではないらしい。
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