Ghost Thierf/9 2005/05/08
「……」
暗闇の中で男か女かも判らないその人影は、何も言わなかった。
だが、その代わり。
『……しつこい奴だ』
ジェットの耳に飛び込んで来たのは、重く、掴み所の無い男の声だった。
「…!?」
何処から聞こえたのか、目の前には赤い瞳の人影以外見当たらないというのに。
「誰だ!!…何処に隠れてやがる!!」
『此処にいる。…良く見るんだな』
はっとして、闇の中へ目を遣る。
―――そして彼は、三度目の信じられないものを見た。
ゆらり、闇が動いたかと思うと、中空から人の姿が現れたのだ。
ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。