Ghost Thierf/11 2005/05/09
「ゆ…幽…霊っ…!?」
『そうだ。…何を驚く?…"化け物"と言ったのはお前だろう』
薄い唇に、ぞっとするような愉悦の笑みが浮かんだ。
『さぁ…どうしてやろうか?』
それは窓辺に立つもう一人の人物に向けての言葉らしかった。
『こいつは俺達の姿を見た。―――…望むなら、殺してやっても構わないが』
冷たい声が微かに音を立てて、また笑う。
だが窓辺の影は、ただ首を横に振った。
「駄目だよ」
赤い瞳が伏せられる。
―――何て綺麗なんだろうと、思った。
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