Ghost Thierf/24 2005/05/21
近くで改めて見ると、帽子の向こうの顔立ちは何とも言えない造形の妙を兼ね備えている。
東洋の血を思わせる象牙色の肌と、少し厚めの形の良い唇。それから、胸に下げた銀のロザリオ。赤い瞳は美しいだけでなく、確固たる意思の強さを宿していた。
その稀有な容姿に危うく感心しかけたジェットであったが、そこは彼のプライドがかかっている。
少年に歩み寄ると、強く睨んだ。
「……こんなガキが、世に名高い大泥棒サマかよ」
どう見ても自分よりは2つ3つ年下の少年を見下ろして、彼は少し拍子抜けしたような顔をした。
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