身近に小さな文明論{No}号  2005/05/29

身近に小さな文明論・・2005.05.29

このごろの野鳥

時計を見ると、4時。窓の外の柿ノ木に集まってくる野鳥の、一斉に鳴く
朝の挨拶に起こされてしまいました。まず鋭くなく声が10分ほど続いて、
次に控え目な囀りに変わり、最後は唸るような声に移ります。夏の間は決
まってそのパターンが繰り返されます。

遂に目も覚めてしまって窓をあけると、電線に留ってパートナーを呼ぶヤ
マバトが1羽。まだ明けきらない空をシルエットで染めて、ゥオー、ゥオ
ー、ゥオー・・

それにしても最近の野鳥は人間の生活圏に随分と近づいて暮らすようにな
りました。二三十年前ならヤマバトなどその名の通りに山に、いや雑木林
かもしれませんが、いずれにせよ人里を離れなければ目にすることも少な
かった記憶があります。それが最近はむしろ一戸建て住宅の狭い庭にまで
やってきて、直ぐ目の前を、餌を求めてぴょこぴょこ歩いています。あの
電線で鳴いているヤマバトも、2週間まえくらいに直ぐ下にある枇杷の茂
みにせっせと巣造りしていたハトに違いありません。

ヤマバトが住宅の近くに住み着くようになった理由はカラスだとも言われ
ています。カラスは利巧モノで、巣でも見つけられてしまったからには執
拗に雛を狙われ、毎日偵察にきては巣立ち直前の大きくなった頃合いを見
計らって雛を奪っていくそうです。ところが幸いにもカラスほど用心深い
鳥も少ないとかで人間の住む近くには中々近寄ろうとしないため、それを
逆に利用したヤマバトが人間との距離を縮め、すると意外や意外、人間が
それほど危険でないことを知ったので近くに巣造りするようになったので
しょう。

そういえば冬になって葉を落とした並木におびただしい数の野鳥の巣が見
られたことを思い出しました。ヤマバトに限らず種々の野鳥が人間の喧騒
に埋もれることでカラスから逃れるようになっている証しなのでしょう。
そういえば今朝も狭い庭をひらひらと蝶のように飛ぶ小鳥を見つけました。
今や繁殖の季節真っ盛りで、ようやく巣立ったばかりのスズメの子でした。
さすがにカラスは庭にまで近づきませんが、それそれ、そこは猫の通り道
ですよ。

ホームページにもぜひお寄り下さい・・→
陽はまた昇りて   http://kikiwata.hp.infoseek.co.jp
 タワンティンスーユ http://www5b.biglobe.ne.jp/~cir-KIKI

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。