無論、今更そんな細かい杞憂なぞしている訳ではない。彼は今、本当に今自分が此処にいていいものか決めあぐねているのだ。 しかし、懐へ飛び込んでしまったものは仕方がない。 毒なら毒、だ。 彼はカップの液体を一口啜った。 「…それで?」 「それでって?」 何やら意を決した表情の彼を見て、少年がきょとんと目を丸くする。 「だから、話の続き」 天然なのか、それとも理解力が足りないのか。 少々うんざりしてジェットが先を促すと、少年はあぁ、と肯いた。 「あのね…僕たちが泥棒なんかやってるのには、理由があるんだ」 |