Ghost Thierf/110 2005/11/18
『……違う……俺…は……、お前、とは……』
痛みの向こうに、少年の笑顔が滲んだ。
あの子は自分を恨んでいるだろうか。
生身の友人を見つけたら、化け物のことなどすぐに忘れるだろうか。
『それとも、化け物以下かしら?』
一閃、黒い刃が幽霊の透き通った首筋へ振り下ろされる。
それは死神の鎌にも似ていた。
「ハインリヒ!!」
広間に響き渡った声が、男の消えかけた意識を一瞬で覚醒させた。
『……!!』
影の赤い瞳が見開かれる。
振り向いたそこには、息も荒く少年たちが立っていた。
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