成る程、少年の外套はゆったりと重そうだ。 あれを他人が脱がすのは少々難しいに違いない。 「だが一体何を賭ける」 「そりゃ、脱がせた結果がそのまま報酬」 「……お前は」 「何だよ、何も直接ちょっかい出そうってんじゃないんだぜ。……見るだけ、な。見たくない?」 太陽はもう一度、下界を見下ろした。 上着の襟から微かに覗く白いうなじが、百合の花のように揺れている。 その下の肌も、容易に想像することができる。 恐らくは未だ誰も触れたことのない――― 風が、ふふんと鼻で笑った。 「決まりだな」 「…全く…」 |