帰省暇つぶし企画 夕立 「美菜」 車が止まる感覚に目を開けるとお母さんの顔が目の前にある。 「んー……」 何度かまばたきをしてから伸びをすれば手は車の天井にぶつかった。 「起きれる?」 お母さんはあたしの体に掛かっていたタオルケットをそっと剥がした。 「うんー……」 まだ正直眠かった。あたしは今自分の家から遥か離れたお父さんの実家に来ていた。 「やっぱり酔い止めは効くのね」 あたしの様子を見てお母さんは苦笑いを浮かべて呟いた。 ようやく頭が少しハッキリしてきて辺りを見るとそこには年に数回見るお父さんの実家が目に入った。 「あれれ?もう着いちゃったの」 あたしはちょっとガッカリして呟いた。お母さんはそんなあたしの様子気にしないように車に積んだ荷物をおろし始めた。 |