Il Deserto Rosso/4 2007/01/21
王は、王子を守るには、その評判が外に届かぬようにするしかないと思いました。
彼は息子を愛していました。
ただ、心を傾けすぎていたのが過ちでした。
王子は、王宮の最も西の端にある小さな塔に幽閉される事になりました。
まるで宝石を隠すように、王は息子を誰の目にも触れさせてはならないと、家臣たちにかたく言いつけました。
塔の部屋には小さな窓がひとつきり。
召使いがひとり毎日世話をしに来るだけの部屋で、王子は毎日、ただ外を眺めて暮らすことになりました。
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