テスト配信です ・・・・・・ 兄ちゃんを欺くような約束を決めて、幾分後ろめたい気持ちで家に帰ったものだから、それも見抜かれてしまうのじゃないかと、俺には気がかりが多い。 今まではこんな事無かったのに。 そもそも隠し事をしなかったのだから、見抜かれるも何も無かった訳だ。 内緒とか秘密と言えば聞こえはいいが、所詮隠し事。 いつか嘘を吐くような事態にもなりそうだ。 そう考えると、俺は悪い子になってしまった気分。 兄ちゃんに隠し事なんて。 兄ちゃんに嘘なんて。 向田を好きな気持ちは、絶対悪いものなんかじゃない。 それなのに、なんでこんな事になってしまったんだろ。 幸いにして、兄ちゃんには何もバレていないようだった。 いくらわかりやすいとは言え、亀の牛歩作戦なんてダサいネーミング、何とかならないものかと考えながら帰ったからかも。 「拝むのはやめて」 兄ちゃんの部屋に貼ってある俺のポスターを見て、時々手を合わせるんだ。 「拝んでる訳じゃないよ。『本当に可愛らしい!』って感動してるだけ」 どっちにしても、本人の前ではご遠慮願いたい。 向田も部屋にポスター貼ったのかな。 どんな顔して見てるんだろうと思ったら、嬉し恥ずかしい。 . |