愛しい 愛しい 宿敵さん 第参話 ⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 「ウォッカ、何の真似だ?」 ジンはウォッカに拳銃をつきつけたまま問いかけている。そんなジンにウォッカは 「あ、兄貴!?」と驚いている。 「取引は明日0時の筈だぞ」 ジンに自分の下顎に拳銃をつきつけられたウォッカは 「や、奴が明日はマズいってごねたからこの時間に変えたんでさぁ…」と言う。 ウォッカの言葉にジンは 「ホォ――…奴とメールを交わしていい様にあしらわれたという訳か…」 「い、いや時間を決めたのはこっちですぜ…。あいつ例の別荘でメールを受け取りやがって雪で停電したってほざきやがるから電話で直に…」 ウォッカの話を黙って聞いているジン… 「や、奴は殺しそこねやしたけどちゃんと目当てのソフトは手に入れやしたし…」 「ウォッカよく見てみろ。このテープはお前の指紋をとる為、蓋の内側には発信器。こ いつで根城を嗅ぎ付ける気だ。そして待ち合わせ相手が見たらなければお前はイラついてタバコに火をつける…コイツの唾液を調べればかるだろうなお前の血液型も…」 「しかし誰がこんな事を…」 「俺や」 そう言いロッカーの上からジン達の前に降り立った。 ジンは俺の姿を見るなり不敵な笑みを浮かべ 「フッ、お前だったか工藤龍一…いやジ・ラ」 と言ったのち俺を睨みつけ 「ジ・ラお前は何をしようとこんな真似をしやがった?!」と怒鳴ってきて俺に銃口を向けてきた。 “ジ・ラだって?龍一兄が?まさかな” 「さぁな…!?まさか俺がノックやないんかって疑ってるんとちゃうやろな?」 と言う俺。 「ジンの兄貴、ジ・ラがこれを仕掛けたっていうんですかい?」 ウォッカの言葉にジンは俺に銃口を向けたまま 「あぁそうだ」と言い俺に 「ジ・ラ、お前は終わりだな。シェリーやキュラソーみたいに組織を裏切った罪は重いぞ」 と言っているが俺は 「俺がアンタらを裏切ったって証拠はあるんかいな?」 「何だと?」 暫く膠着状態が続いたがウォッカの 「ジンの兄貴!早くずらからねぇと誰かに通報されちまいやすぜ!!」との言葉に 「おぅ…ウォッカ、ジ・ラを連れて来い!?ずらかるぞ」とジンはウォッカに指示を出し浅海駅の地下のコインロッカーから姿を消し 「ジ・ラ来い!」そう言うと俺を強引に連れ出した。 俺はジン達に気付かれない様に密かに新一にメールを送った。 ジンはすでに愛車に乗っている。 ウォッカは俺に 「ジ・ラ乗れ!」と言うもんだから俺は仕方なく従い車の後部座席にウォッカと共に乗り込んだ。 「ウォッカ、ジ・ラに手錠をかけとけ」そう言いウォッカに自身の手錠を手渡しエンジンをかけた。 ウォッカはジンの指示に従い俺の両手に手錠をかけた。 俺が逃げられない様にしっかり握っているウォッカ… “くそっ!もうちっとで上手くいく思ってたんに” _________ ⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥ N E X T |