愛しい 愛しい 宿敵さん 第四話 ⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 暫く走って車はアジトとおぼしき場所に停まった。 「ジ・ラ降りるぞ」 ウォッカに言われて降りるとジンは俺の首筋に拳銃を押しあて歩き出した。 俺はジン達とアジトとおぼしき場所へと入っていく。 中に入ると一階は柱があるだけの殺風景な場所だった。 二階に続く階段を上がっていきとある部屋に押し込められ細い柱にウォッカは自身が持っていた手錠に両手につけられた手錠の鎖部分にカチリとはめもう一方を柱にはめた。 ジンは俺に 「お前は俺にお前がノックじゃねぇかと疑ってるんじゃないか?と言ったな…」 「あぁ確かに聞いたで」 「答えてやろう。あの方はお前がノックじゃねぇかと疑っているが俺もお前を疑ってるんだよジ・ラ!疑わしきは罰せよ。それが俺のやり方だ…」 ジンはそう言いながら立ち上がり 「さぁ裁きの時間だ…俺を恨む なよジ・ラ。恨むなら詰めが甘かった自身を恨むんだな」 「フンッ冗談言うんも大概にしてもらおうかい!?俺はアンタらと違って頭脳派やさかいアンタの疑わしきは罰せよって事に疑問をもつで。まぁ俺がアンタやったらガス室に閉じ込めるけどな…」 !? 「ジンの兄貴どうしたんですかい?」 「まさかジ・ラがそんな事を俺に言いやがるとはな」 「おいジ・ラ!ジンの兄貴に生意気な態度をとるとはいい度胸だな!?」 「ウォッカよせ、ジ・ラは俺の獲物だぞ」そうウォッカに言うと俺と目線をあわせる為にしゃがみ 「ジ・ラお前はバーボンやキール達と同じ様にどっかからのスパイって事はねぇよな?」 ジンの言葉に俺はハッと息をのんだ。 そんな俺の様子にジンは 「やはりな…」 「どっかのスパイだから何やっていうんや?愛しい愛しい宿敵(こいびと)さん」とジンに言うとジンは不敵な笑みを浮かべながら俺の鼻先に拳銃をつきつけ 「ジ・ラお前に聞くがノックリス トはどこだ?一分猶予をやろう…ウォッカ時間をはかれ」 「了解しやした」 ウォッカはそう言い腕時計を見て秒読みを始めた。 「さぁ早く言えジ・ラ」 ジンのゆさぶりにも屈せず答えようとしない俺 ウォッカが「0!」と言った時ジンは 「タイムオーバーだ…あばよジ・ラ…」そう言うと引き金をひいた…が弾丸が出てこない。 「おいジ・ラ…俺の拳銃に何しやがった!?」 怒鳴るジンに俺は 「悪いなジン、アンタらの一瞬の隙をついて弾丸を全て抜かせてもらったで」 「何だと?ジ・ラてめぇ…ウォッカ!お前の拳銃をよこせ!?」 ウォッカはジンに自身の拳銃を手渡しながら 「ジンの兄貴、本当にジ・ラを殺(バラ)しちまうんですかい?」 「あぁもちろんだ…」 そう言うと再び俺に銃口をむけ引き金を引くもまた弾丸は出ず… 怒りを露にしたジンは 「ジ・ラ覚えとけよ…この一件で俺を完全に怒らせたんだからよ…生 きて帰れると思うなよ」 そう言うとジンはウォッカに俺を監視する様に告げ部屋を足早に出て行った。 “龍一兄の言うとおりにジンの車のトランクに忍び込んでジン達の後を密かに追ってジンに麻酔針を打ち込んだけど何かおかしい…なんでジンの奴動けるんだ?まさか効いてないとか?” “さて、どうしようか。俺はウォッカに見張られてるから動けへんし…まぁここは新一達に任せるしかねぇな…” 「おいウォッカ」 「何だ?ジ・ラ」 「ちいとトイレに行きたいんやけど連れてってくれへんやろか?」 「トイレだと?」 「ずっと我慢しててん!?今にもチビりそうや!?」 「…ったく仕方ねぇな…わかったよ」 かくして俺は部屋から出る事に成功した。そしてウォッカを背後から殴り気絶させ手錠を外しウォッカの両手にかけ例の部屋に戻し 「ウォッカ悪いな…」 そう言うと新一の元へ こうして新一と合流する事が出来た。 「龍一兄ケガは?」 「ない で」 「龍一兄に聞きたいんだけどジンの野郎が龍一兄の事を【ジ・ラ】って呼んでたけど」 「あぁ〜俺は現在進行形で黒の組織に潜入捜査中やねん」 小声で話していると 「ジ・ラお前やはりどこかのスパイだったんだな…」 バッと後ろを振り向くとジンがこちらに拳銃を向け佇んでいる… 「ジン!?」 「まさかとは思っていたが今ので確信したぞジ・ラ…」 俺は新一と共にその場から離れようとしたのだが 「おっと動くなよ…動いたら…わかるよな?」 ジンは引き金を引こうとしている。 俺は咄嗟にジンの左手を足蹴りして離させ手袋をササッとはめ奪い新一に 「新一、逃げんで!」そう言い新一と共に施設を脱走。 「チッ!ジ・ラの野郎…取っ捕まえたらただじゃおかねぇ…ったくウォッカの野郎は一体何してやがんだ?」 ジンは呟き俺がいた部屋に向かって行った。 _________ ⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥ N E X T |