米国の小麦戦略と日本人の食生活  2009/02/16

戦後日本人の食生活が急速に欧米化した裏にはアメリカの存在があった。アメリカは昭和20年代、農産物の過剰生産、在庫が深刻化し国家財政を圧迫していた。その膨大な余剰農産物のはけ口として標的にされたのが日本であった。
 昭和30年代、本格的に日本に対する農産物輸出作戦に乗り出し、パン食普及作戦等々を広範囲に展開した。主食がパンになれば、おのずと牛乳、畜産物、油料理という欧米型になる。その食材の供給元は全てアメリカであり、それを念頭においた作戦だったのだ。
 欧米型食生活普及のために、アメリカは官民挙げて日本に対し膨大な資金を提供し、下工作を展開し大成功を収めた。今、「アメリカ小麦戦略」の成功で、食糧自給率は約40%で先進国中最低となってしまったが、問題はそれだけではない。
 欧米型食生活に伴って病気もまた欧米型となっていることである。
戦後、栄養関係者〜国民みんなが良かれと思って導入した欧米型の食生活だが、その路線を見直すべき時にきている。今こそ伝統的な日本食の良さを再認識すべき時ではないだろうか。
『「アメリカ小麦戦略」と日本人の食生活』鈴木猛夫
http://www.amazon.co.jp/AB/dp/4894343231

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