トピアML:映画「プレシャス」の図式  2010/04/30

映画「プレシャス」の図式

オバマが大統領になった米国では、いわゆるアフリカ系アメリカ人(黒人)が
主人公として登場する映画が最近とみに注目されている。サンドラ・ブロック
が今年のアカデミー主演女優賞を獲った『しあわせの隠れ場所』は単なる“デブ
の貧しい黒人少年”だと思っていた少年が実はフットボールの凄い才能の持ち主
であり、その才能を白人の裕福な、言ってみれば“有閑マダム”が見出しサポート
し幸せにするという映画だった。

同じ今年、黒人の元コメディ女優のモニークがアカデミー助演女優賞を獲った
『プレシャス』という映画も、貧しい家の惨めな黒人少女の映画だった。モニーク
はその黒人少女を虐待する母親役だったのだけれど、娘の「プレシャス」(英語で
「貴重な」という意味)は、とてつもなく太った黒人少女であり、16歳なのに父親に
レイプされ一人の子持ちで、かつもう一人を孕まされているという悲惨な状況にある
少女だった。

興味深いのは、あの歌手のマライア・キャリーがソーシャル・ワーカーとして、ノー
メーキャップ(素顔)で出演していると言うこと。下の公式サイトの予告編でご覧あれ。

映画『プレシャス』公式サイト
http://www.precious-movie.net/

因みに、この映画とは関係ないけれど、下のビデオってマライア・キャリーの承認を得て
いるのかな〜?(笑)

豊満マライア・キャリー?
http://sp0.fotolog.com/photo/16/62/52/rafarafuxo2/1208581448_f.jpg

ところで、この映画『プレシャス』はアカデミー脚本賞も獲っているのだけれど、アメリカ
にいる僕の身内に言わせると、やっぱり“慈悲深い白人による惨めな黒人を救う物語”と
いうステレオタイプな映画の域を出ていないということだった。サンドラやマライアの
ような白人女性にとって黒人の少年・少女は“哀れむべき対象”であり、黒人の少女・
プレシャスにとって白人は“憧れの対象”であるという図式が疑われることはない。

I wish I had a light-skinned boyfriend with nice hair.
(キレイな髪の、肌の白い彼氏がいたらな〜。)

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トピアの会
(豊満美人友の会)
http://abe.to/topia/
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