危険な依頼♪3  2004/04/22

「……気付いておられましたか」
「驚かないね?」
「ここを紹介された時に、『普通ではないから安心しろ』と言われまして、期待して来たのですよ」
(ま〜た近所の悪がきだな……今度、懲らしめる必要があるわね……♪)
瑠闇は知らずのうちにくっくっくと笑っていた。
「あのお」
老人に話し掛けられると我に返り、思考が仕事モードに変わった。
「すみません。では、ご用件は?」
老人は全てを見透かしているような瑠闇の瞳をしばらく見つめ、溜息を吐いた。
「貴方も人が悪い。解っていらっしゃるでしょうに」
「こちらの勝手な解釈は時に依頼者の逆鱗に触れますので、なるべく依頼者の方に言ってもらってます」
瑠闇の営業スマイルは、男性キラーである。笑顔と内心は相反している。しかし、老人はまた一つ溜息を吐き、一拍間を置くと一言の依頼を言った。
「私を一族の元へ送り届けて欲しい」

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