身近に小さな文明論{No}号  2004/09/12

身近に小さな文明論・・2004.09.12

狂った自然界

庭の片隅に彼岸花の芽が出ておりました。しかし、まだ今は八月。彼岸花の
咲くのは三日と狂わないで秋のお彼岸に決まっていたはず。一体何を勘違い
して目覚めてしまったの・・でも、そんなことにはお構いなしに彼岸花の芽
は伸びて、遂に9月3日の朝にあの虫籠を連想させる真っ赤な花を開いてし
まいました。しかもその周囲には次々と別の芽も伸びて、この分ではお彼岸
前に散ってしまいそうな様子に驚き、驚き、また驚きです。

そう言えば、枇杷の花も沢山咲いておりました。枇杷といったら正確なこと
は思い出せませんが確か北風の吹く頃にひっそりと咲いていた気がします。
それが三ヶ月は早い満開とは・・もはや自然界が狂ってしまったとしか思え
ません。

先月のこのHPで庭にやってくるトンボが少なくなったことを書きました。
毎年たくさんのノシメトンボがやってくるのですが、今年はいつ覗いても一
匹か二匹。赤とんぼに至ってはとうとうゼロでした。あまりの猛暑に驚いて、
暑さを嫌うアカトンボは山に避暑としゃれ込んでいるのでしょうか。もしそ
うならまもなく秋の空を埋めるために戻ってくるから、それはそれで良いの
ですが・・

ところがそれほど悠長な状況でもないようです。稲作が早蒔きになるに連れ、
田に水が入ると同時に卵から孵るアカトンボも羽化を早めざるを得ず、一方
秋も早々と田の水を抜けれてしまい産卵場所をなくしたりと、どうもアカト
ンボの生活にも厳しい試練が訪れているようなのです。もし秋になってもア
カトンボが戻ってこなかったら、やはりと合点せざるを得ないでしょう。

さらに地球の温暖化に伴って亜熱帯の昆虫が日本を北上し続けております。
クマゼミが箱根を越えた話はここでも以前に述べましたが、他にも色々な昆
虫が北上中のようです。例えば大阪府大の石井先生によると、1940年代
まで山口県が北限だったナガサキアゲハは1995年にはほぼ近畿地方の全
域に分布を広げたそうです。しかも生理的性質を何ら変えないことから、北
上を誘引するのは温暖化以外考えられないというのです。

ある気象学者によると2.5度の温度上昇は日本列島を400キロ北上した
ことに相当するそうです。きっと皆さんの周囲でも色々な異変が起こってい
るのに違いありません。何か気づきましたらぜひご一報願えたらと思います。
進歩と称する人間の欲望が温暖化の元凶となって自然界を狂わせ、その結果
現代文明を危機にまで陥れる・・そんな危機感の元での小さな異変を引き続
き捕らえて、未来を考える一端を提供したいと思っております。

ホームページにもぜひお寄り下さい・・→
陽はまた昇りて   http://kikiwata.hp.infoseek.co.jp
 タワンティンスーユ http://www5b.biglobe.ne.jp/~cir-KIKI

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