身近に小さな文明論{No}号  2005/01/09

身近に小さな文明論・・2005.01.09

雪の中に花園

正月のニュースで、仙台で一ヶ月以上も早く椿の開花したことを報じ
ておりました。そう言えば昨年の末に、偕楽園から梅の開花が伝えら
れたことを思い出します。やはり暖冬だからでしょうか。そうはいっ
ても凍てつく冬であることに変わりはないのに・・

少しだけ遅れたせよ例年どおりに、関東地方にも初雪が降りました。
すっかり青空の戻った翌朝、小さな庭の片隅に植えたキンセンカの大
きな黄色い花がうっすらと被った雪を突き破って光っておりました。
その白い雪の色との対比に惹かれてカメラを向けると、隣から大きな
紫のパンジーの花が「こっちも・・」と伸び上がってポーズをとった
ようです。

いつもの年なら雪に映えるのはナンテンやマンリョウ(これは鳥が実
を運んできて芽生えるのか毎年その数を増しています)の赤い実くら
いでしたが、今年はやたらと草花が目立ちます。そこでふと思いつき、
数歩も歩けば終えてしまうような狭い庭の中に咲いている草花を数え
てみました・・

キンセンカ、パンジー、ビオラ、ナデシコ、エリカ、スイセン、サク
ラソウ、プリムラ、ガーデンシクラメン、サフィニア、キンギョソウ、
それになぜか数輪だけ咲き残っている赤いバラに菊の花、もうひとつ
名前のわからない花を加えると、なんと14種類。大袈裟に言えば雪
の中の花園でした。

かつて圏央道の建設が決まった頃の1995年に、その高速道路によ
って分断される光景を慮って堤に沿った1キロで雑草の花を定点観測
したことがありました。そのときの1月には地面に張り付いた西洋タ
ンポポの一輪と日溜りでひっそりと咲くオオイヌノフグリの群生を見
つけただけでした。ところが今年は他にもペンペングサ、ハコベ、オ
ドリコソウなど、当時2−3月になって見つけたはずの花が既に咲い
ておりました。この分なら日溜りを良く探せば4月の花;ハルジオン
くらい咲いているのかもしれません。

そうしてみてくるともはや「暖冬」の二文字を捨て去ることなど出来
ません。しかもそれが年々本気になっていく様さえ捨てきれません。
昨年地球を襲った災害の多くも温暖化抜きにその原因を語れないとの
ことです。そうしてみるとどうやら本年も「温暖化」のキーワードが
この、「身近に小さな文明論」の主役になりそうです。今年こそ穏やか
な一年であって欲しいと願うものなのですが・・

ホームページにもぜひお寄り下さい・・→
陽はまた昇りて   http://kikiwata.hp.infoseek.co.jp
 タワンティンスーユ http://www5b.biglobe.ne.jp/~cir-KIKI

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。