『Blue fairy』/6  2005/01/07

「おい」

彼ひとりしか居ない筈の部屋で、誰かの声がした。
耳を澄まさなければ聴こえないような、ほんの小さな声だ。
「…だ…誰っ…!?」
ジョーは慌てて、床に座り込んだまま辺りを見回した。
けれど、どう見たってこの部屋には自分しかいない。
「何…?」
まだ夕方だというのに、幽霊でも出たのか。
そう考えて、少し恐怖を覚えた。
だが自分だってもう子供ではない。例え幽霊だとしても、みっともなく怖がるのは嫌だ。

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