『Blue fairy』/10  2005/01/09

「お前が割ったのか。…まずは礼を言わないとな。やっと窮屈な殻から出られた」
「へ?…ぇ、えっと…どういたしまして」
釈然としないが、素っ頓狂な声で返事をするしかジョーには思いつかなかった。
「あの…」
「?」
「…君ってまさか…ひよこじゃないよね…どう見ても…」
それ所か鳥ですらない。
羽根も嘴も見当たらないし、何より喋るヒヨコがいるものか。
小さな男は小さな額へ小さな手をやると、億劫そうに溜息をついた。
「……大分混乱してるだろう」
「あっ…!!あああ当たり前じゃないか!!君は何なのさっ!!そんな…小さい…っ」

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