『Blue fairy』/14  2005/01/11

小さな生き物はまた溜息をついて、本の上へ乗った。
見れば足には豆粒ほどの靴まで履いている。
「…俺に言わせればお前こそ非現実的だがな…」
「なっ…どうして」
「可愛い女の子とか小さい子供とか、そういう連中だけでひとつの種族が成り立つか?…男も女も、中には可愛くないのだって当然いるのが自然の理だろうが」
―――言われてみれば正論だった。
「それに羽根ならちゃんとある」
面倒そうに呟くと、生き物はぱちんと指を弾いた。
すると、瞬きするよりも速く、その背中に蜻蛉のそれに似た薄翅が広がった。

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。