『Blue fairy』/16  2005/01/12

妖精と言えば悪戯で、享楽にばかり耽っている生き物だと思っていたが、どうやらそうではないようだ。―――特に彼は、生真面目で賢く、加えて少し無愛想らしい。
「大体、移動するのにいちいち空を飛ぶ必要はないだろう。それこそ足が退化する」
「…そうか、そうだね」
こんな小さな成りをして余りにも尊大な物言いをするものだから、それが何だか可笑しくて、ジョーはくすりと声を立てて笑った。
女の子でも子供でもないけれど、彼も何だか可愛く見えてくる。

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