『Blue fairy』/17  2005/01/12

それに改めて見て解ったけれど、成る程、彼はとても綺麗だ。白い肌は雪、蒼い瞳は海、銀の髪は雨を含んだ雲のよう。
妖精だというのは俄かに信じ難いけれど、とにかく並みの生き物では無さそうだ。
「あ、それで…あの卵は何?…君は窮屈だったって言ったけど、生まれたばかりじゃないの?」
「勿論、違う」
彼はひょいと本から飛び降りると、今度は少年の目の前に立った。
首を思い切り上げて、じっと瞳を見つめる。
嘘をついているような顔ではなかった。

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