『Blue fairy』/26  2005/01/17

困り果ててうつむいてしまった少年に、肩をすくめてみせる。
「そう重く考えなくてもいいぞ。逃げられないとは言ったが、別に逃げるつもりもない。…どうせ、罪人に帰る場所なんて無いからな」
「……」
だが少年は相変わらずうつむいたまま、心底困惑した様子で黙り込んでいる。
大きな紅い瞳は今にも泣き出しそうだった。
「―――…何て顔をしてるんだ」
さも不思議だと言わんばかりに、妖精が首を傾げた。
願いを叶えてやると言われて、喜びこそすれこんなに落ち込むなんて、この少年はどうかしている。

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