『Blue fairy』/27  2005/01/17

「お前、欲しいものはないのか?千載一遇の好機だぞ?普通の人間なら喜ぶはずだろう?」
折角のチャンスに手を伸ばさないのは、いっそ愚かな行為だ。
「……だって」
「?」
「だって君が可哀相なんだもの。……折角、罪が許されたのに、今度は見ず知らずの人間の奴隷だなんて。僕なら嫌だよ」
彼はそれを聞くと、信じられない顔で少年を見つめ直した。
それから呆れたように、少し照れたように頭の後ろを掻く。
「……欲が無いにも程がある」
白い頬が困惑に仄か赤く染まった。

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