『Blue fairy』/32  2005/01/20

尤もお前の場合、死んでも他人の不幸なぞ願ったりはしなさそうだが―――と付け加えて妖精は言った。
少年はこくこくと何度も肯いた。
「それだけ?」
「いや。あとは…」
記憶の淵からそれを呼び戻すべく、彼は細い顎に手を遣った。
蒼い目が何処か遠くを見る。
どうやらそれが、考え込む時の癖のようだ。
「あとはそう……人心を操ってはならない。例えば、その気のない相手と恋愛関係になるとかな」
「ふぅん…」
ジョーは長い睫毛を伏せて、感心しきったと言わんばかりに溜息をついた。

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