『Blue fairy』/34  2005/01/21

「何も無いなら現金って手がある」
脚を組みつつ、煙草の煙でも吐き出しそうな顔であっけらかんと彼が呟いた。
「……妖精のくせに夢が無い事言うね」
「だから夢じゃないって言ってるだろうが」
今度はこちらが呆れる番だ。
「そんなの駄目。楽して手に入れたお金は、きっとすぐに使っちゃうもの。意味ないよ」
はぁっと溜息をついて、机の上に突っ伏した。
欲しいもの、欲しいもの―――
そう頭の中で呟きながら、頭を抱えたその時。

くー…

考え込んでいた少年の腹から、控えめな音がした。

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