『Blue fairy』/37  2005/01/22

少年がこくこく嬉しそうに何度も肯くと、彼もひとつだけ肯いてみせる。
―――本当に、無欲な事だと、銀髪の妖精は思った。
未だ子供のくせに、相手の心配ばかりして。彼とて今まで人間に出会った経験が無かったではないが、ここまで願い事を聞き出すのが難しそうな人間には出会った試しがない。
長丁場になりそうだとは感じたが、不思議な事に嫌悪は伴っていなかった。
「それなら、何がいい?」
「えぇっと…甘いもの。出来ればあったかい飲み物もつけて」
「よし。……では、仰せの通りに、我が御主人様」

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