『Blue fairy』/38  2005/01/23

妖精は少し冗談めかして呟くと、軽く指を鳴らした。
次の瞬間、しゅん、と乾いた煙の音がした。
温かな、蒸気のようなものが机から立ち昇ったかと思うと―――
「わぁっ」
真っ白な皿に乗った大きなケーキと、銀のスプーンが添えられた紅茶のカップが一式、まるで初めから其処にあったかのように揃っている。
カカオの甘い香りが鼻をくすぐった。
「凄ーい…!!」
紅茶の湯気の向こうで、妖精がふぅと溜息をついた。
どうだ、と、少し得意げに腕を組んでみせる。
「これ…ホントに食べてもいいの…?」

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