『Blue fairy』/40  2005/01/24

ジョーは彼の前に掌を差し出すと、其処へ乗るよう促した。
こうすればもっと近くで顔が見える。
「僕はジョーだよ。…君の名前は何て言うの?」
「……アルベルト」
「そう。いい名前だね。……じゃあこれからよろしくね、アルベルト」
そう言って少年があまりに屈託無く笑うものだから、妖精は掌の上で少し決まり悪そうな顔をして頬を赤らめた。
これだから子供は苦手だ。
紅茶の甘い香りが、部屋に漂っていた。

★★★

「ジョー!!」
―――朝、耳元でやけに大きな声がして目が覚めた。

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