『Blue fairy』/47  2005/01/30

だが少年はといえばその事には気付かず、夢でも見ているかのような瞳で、後姿の消えた道に視線を落としている。
「…おい」
彼が声をかけても、未だ余韻に浸ったままだ。
「こら!!」
「うわっ!!…な、なに?」
「何じゃない。往来で立ち止まるな」
胸元から聴こえた不機嫌な声に、ジョーはやっと我に返ったらしかった。
「あ…ご、ごめん…」
「……お前」
妖精はその、冬の湖めいた底蒼い青い双眸で少年の顔を見つめる。
そうして笑みひとつ浮かべる事なく、淡々とした口調でこう言い放った。

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