『Blue fairy』/52  2005/02/07

アルベルトはその事に、微かな苛立ちさえ覚えていた。
―――この少年が泣きそうな顔をする度に、胸の奥が奇妙な痛みに襲われる。
嫌悪ではないそれが何の感情なのか、未だ彼には理解出来なかったけれど。
短い溜息を吐くと、乱れた髪を払って元に戻す。
「……それで?」
「ふぇ?」
「じゃあお前、例えばアレと恋人同士になりたいとかそういう希望がある訳じゃないんだな?」
「ぇ…えッ…」
途端、折角冷めかけた少年の頬がまた真っ赤に染まった。
「そんなっ…それは…っ」
然もありなん。

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