『Blue fairy』/53  2005/02/08

彼はまた、呆れたような顔をしてみせた。
そう、これが当たり前だ。
子供に遠慮は似合わない。欲望を表に出さない努力をするのは結構だが、過ぎれば可愛げもなくなるというもの。
「素直じゃない」
少年は目を伏せて、困り果てた目で胸元の彼を見た。
「…君が直接的すぎるんだよ…今の…」
「一生片想いでいろなんて言われるよりいいだろう」
「もう…っ」
思わず拳を振り上げて、いい加減にしてよ、と呟く。
だがアルベルトはそれに怯む様子はなく、淡々たる表情で少年の目を見つめた。

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