『Blue fairy』/56  2005/02/11

「信じなければ、魔法だって効かないさ。…だが逆に、強い願いはどんな奇跡も引き起こす」
そうしてその手で、ひらりと中空を撫でる。
その途端、あと数十分せねば鳴らない筈の始業ベルの音が、遠くで聞こえた。
「!?」
驚いて腕の時計を見遣れば、長い針は一瞬にして半周近く動いている。
彼は得意げに手を下ろして、少年に尋ねた。
「遅刻の罰は何がある?」
「何って……居残りで…反省文…」
そこまで言って、ジョーはあっと息を呑んだ。

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