『Blue fairy』/58  2005/02/14

「嫌なら家に帰っても構わないぞ」
机の上にはとうに書き終えた反省文が置いてある。
後戻りしようと思えば、まだいくらでも出来る状況だった。
「……嫌なんて」
思う筈がない。
ジョーは長い溜息をついた。
あえて言うならこんな風に自分の意思が希薄で、自信が無い事が、少し嫌になる。
非現実的な魔法の力でも借りずには、気持ちひとつ口に出来ない事―――
頬杖をついて、もう一度反省文のプリントに視線を落とした、その時。
がらがらと無作法な音を立てて、背後のドアが開いた。

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