『Blue fairy』/64  2005/02/20

けれどその時。
突然、片腕を掴まれて、動きが止まる。
「…っ…」
恐る恐る振り返ると、彼が唇に小さな笑みを浮かべていた。
「待てって」
そのまま、強い力で近くへ引き寄せられる。
頬が触れ合いそうな距離までくると、琥珀の瞳が良く見えた。
真っ赤になったジョーの頬を長い指が辿る。
それだけで、まるで都合の良い幻覚を見ている気分だった。
「逃げる事無いだろ。…俺はお前の事どう思ってたか、聞きたくないか?」
「…え…っ」
もう一度相手の顔を見返す。
瞳の奥は面白そうに笑ったままだ。

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