『Blue fairy』/68  2005/02/25

「……君を、君の世界に返してあげなくちゃいけないんだ」
務めを果たさなければ、妖精は契約に縛られたままだ。
「でも……」
一番叶えたかった願いが叶ってしまった今、ジョーには何の望みもない。
「ねぇ、それは僕以外の人間の為に使う事は出来ないの?…例えば、他の誰かの為に」
「無理だな。最初に言っただろう、望みを叶えてやれるのは妖精と出会った人間だけだ。例えば他の誰かの為に使うとしたら、その誰かにも姿を見せなければならない」
「…そうする事は駄目?」
訊ねると、妖精は馬鹿な事を言うなと鼻を鳴らした。

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