『Blue fairy』/75  2005/03/02

そう言って、青年はいつもと同じ、人好きのする軽い笑いを漏らした。
(……)
電話の向こうでは、微かに同意の声がする。
妖精は形容し難い嫌悪感を覚えると、羽音を立ててもう一度高い所へ舞い上がった。
そうして出来るだけ早く、街並を抜け、元来た道を戻った。
「……?」
青年がふと後ろを振り向く。
電話の向こうの声が途切れた会話に何事かと訊ねたが、彼はしかし、中空を飛び去った小さな光の塊が何なのか解らなかった。

★★★

「あ…」
窓から滑り込んだ姿を見て、ジョーはほっとしたように微笑んだ。

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