『Blue fairy』/82  2005/03/09

顔を覗き込まれて、思わずどきりとした。
ずっと好きだった人がこんなに近くにいるのに、自分は何を考えているのだろう―――
あのまま家を飛び出してしまった事への後悔を、ジョーは必死で頭から追い出そうとした。
裏切られたと、思った。
妖精は一度叶えた願いを否定したのだ。幸せになどなるなと、そう言われたも同然だ。
出来ればもう顔を合わせたくない。
罪でも何でも被って、自分の前からいなくなってしまえばいい。
無理矢理にでもそう思って、少年は首を横に振った。

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