『Blue fairy』/83  2005/03/10

―――望む通りの結果が出てしまえば、人はしばしば己を過信するようになる。
少年が陥っていたのはまさにそんな感情だった。今の状況など、本当は彼の手を借りずとも手に入れられたのではないか―――
だから、もう居なくても構わない。そんな事まで、心をかすめた。
「今、親もいないんだ。…何もなくてほんとゴメンな」
そう言ってジェットが差し出してくれたカップの中のコーヒーを一口啜る。
ブラックは飲めないと言ったら、きちんと甘くしてくれたらしい。
琥珀色の液体は、優しいミルクの香りがした。
(……)

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