『Blue fairy』/87  2005/03/14

ジョーは恐怖に歪んだ瞳で彼を見た。
考えてもみなかった。自分はただ彼と一緒にいるだけで嬉しくて、もっと彼の事が知りたくて。
こんな事がしたかったんじゃない。
望んでいたのは―――


『行くな』


「嫌ッ!!」
渾身の力を込めて、彼を突き飛ばす。
「…つ…ッ」
その隙に必死で身を起こすと、ジョーは傍らに放ってあった自分の衣服を掴んで素早くベッドから降りた。
そうして脇目も振らず、部屋を後にした。
追いかけては来ない相手を振り返りもしないまま。

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