『Blue fairy』/89  2005/03/15

―――早く家に帰りたかった。
(…謝らなきゃ)
知らず、涙が溢れた。
どうしてあんな酷い事を言ってしまったのだろう。
妖精はいつだって自分の事を思っていてくれたのに。
銀髪の向こうで寂しげに揺れていた、淡い海色の瞳が思い浮かんだ。

★★★

「…アルベルト…っ!!」
部屋に入ると、ドアを閉めるのも忘れてジョーは叫んだ。
だが返事はない。
妖精の姿は何処にも見当たらなかった。
いつも彼が座って脚を遊ばせていた机の上にも、いつもと同じ自分の文房具が置いてあるだけだ。
(…そう…だよね…)

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