『Blue fairy』/90  2005/03/16

張り詰めていた気持ちが突然解けて、床へへたり込んでしまう。
―――あんなに酷い言葉を投げ付けたのだ。きっと、愛想を尽かされたに違いない。
今の自分には当然の報いだ。
優しい妖精を裏切った自分には―――
取り返しがつかない事をしてしまった。
溢れた涙を拭った、その時。

「……お呼びですか、御主人様」

本棚の上から目前をかすめたのは、虹色に光る薄翅だった。
はっとして顔を上げると、そこにはいつもと同じ、尊大に腕を組んだ彼の姿があった。
相変わらずの仏頂面のまま。
「…アル…ベルト…?」

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